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信頼関係を築くもの

信頼関係を築くもの

補修工事から始まった挑戦

ある橋の工事の話をします。
上のトラス(三角の部分)に板を入れて、板にあわせて穴をあけて、ボルトで止める。そんな補強工事が、弊社の転換点でした。

橋梁補修はテクニカルな仕事です。橋は新しく架けるより、今あるものを外して補修するほうが難しいのです。現場を知っていても、橋そのものを知らなければできませんし、実際に見て触ってきた人間でなければ、わからないことがたくさんあります。

橋の寿命は平均20年と言われています。環境によっても異なりますが、川の上などでは痛みが早く進みます。その橋は昭和38年(1963年)築で、痛みがひどい状態でした。なんとか今は立っているけれど、仮に地震が起きれば崩落などの可能性もありました。

専門性が拓いた長き信頼

先代の社長が元気で、弊社も勢いがあった頃の現場です。私は入社1年目で、見習いとして営業担当について回っていました。右も左もわからず、とにかくデカイ工事をやっている、というイメージしかありませんでした。

弊社の強みは当時から、専門的な知識が深いことです。当時もゼネコンや橋梁メーカーのOB達が入社し戦力となっていましたし、実際に橋をかけた担当者も在籍していたため、橋の構造やその構造に対してどのようなアプローチ方法を取るのが最善かがわかりました。そういったことをクライアントに提案できるポジションになる、その転換点となったのがこの工事だったのです。

今もその時の元請け様とはお仕事が続いていますが、この工事があったからです。営業を含め各専門分野で動いていた先人達のおかげと言えます。施工現場に入った時に、元請け企業様が私たちの意見を聞き入れてくださることや、何社もある中から弊社を指名で選んでいただけるのは本当にありがたいことです。

元請け様との信頼関係が深まるにつれて、近頃では現場の担当者と職人、または職長と現場責任者だけで話がまとめられるようになっています。これは私や事務方も、職人を信用していなければできないことです。彼らを信頼して任せられるのは、幸せなことだと思います。

知識が礎(いしずえ)となる

橋にはプラモデルのように説明書があるわけではなく、担当する者の知識だけを頼りに進めていくほかありません。補修する際に大切なことは、図面をよく見て、内容を把握すること。そして元請け様に必ずデメリットを説明するようにしています。足りないものを指摘し、意見を交換して着実に進めなければなりません。

時折、橋梁の落下のニュースが耳に入ってくることがありますが、その中には知識さえあったら防げた事故もあります。施工側に知識があることは大前提で、その次に、クライアントとの信頼関係があるかどうかが、現場の命運を分けるといっても過言ではありません。ネガティブな要素やデメリットなど、マイナスな事柄をテーブルに乗せられるかどうかが、肝心です。橋の構造を理解できているというのは実は、業界の中でも当たり前のことではないのです。知識がない故に、元請けに言われた通りにやるしかなかった、そしてそれが事故につながってしまったというケースがあることは、残念ながら認めざるを得ない事実と言えましょう。

言われたからやる、では事故が起きる可能性が高くなり、安全かつ効率的に作業を進めることもできません。だからこそ私たちを頼っていただきたいのです。弊社には、長年社内で培われてきた知識と技術があり、今も職人のなかに生きています。300件余りの見積もり資料を見れば、工程、必要資材、人件費、必要工数や時間などを積算できますし、それをもとに弊社では最善なアプローチや工程をご提案できます。

ただ橋を作るのではなく、現場を通して弊社の職員、協力会社の皆様、そして元請け様と信頼関係を築く。それが弊社の目指すところです。

先日、久しぶりにこの橋を渡りました。綺麗に修復された橋を通るたび、目にするたびに誇らしい気持ちが蘇ってきます。信頼関係を築くには、やはり知識が礎。この信頼関係を作ってくれた先人たち、そして私たちの話に耳を貸してくださる元請け様に心より感謝申し上げます。

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事務所外観
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