
決めて動くと、道が拓ける〜レーザークリーニング事業を通して〜
弊社の新規事業のひとつにレーザークリーニング工法があります。
レーザークリーニングはあらゆる事業で活用できる技術ですが、建設現場でも様々な場面で活躍します。
例えば塗装や錆を剥がす作業。従来工法では、コンクリートについた錆を落とすのに時間がかかる上、コンクリートそのものがボロボロになってしまいます。しかしレーザーなら錆だけに反応させられるため、コンクリートなど土台の素材を傷めずに落とすことが可能です。密閉された場所に大型のグラインダーやサンドブラストを入れる場面でも有効です。
その他にも
- 壁の落書き洗浄
- 飛行機のタービンのすす落とし
- 土の中にある放射能を叩いて吸い取る
といった、人間が触れない箇所もクリーニングできるため、可能性は広がるいっぽう。将来的には宇宙開発の現場にも関わることができる技術です。

20年前の出会いが、今につながった
クリーナーを導入したのは2022年ですが、もっと以前からレーザー技術については知っていました。初めてその情報に触れたのは20年以上前のことです。
30代の頃、私は異業界の大手チェーン会社で商品開発を担当しており、各方面からの様々な情報が集まる環境にいました。そんな折に偶然見つけたのがレーザークリーニングです。調べていくうちに、イスラエルのメーカーとつながることができました。あれから20年以上の歳月をもって、この大掛かりな機材を父から受け継いだ会社で導入することになるとは、当時の私は思ってもみなかったことです。
不思議な縁のめぐり合わせもありました。導入に向けて情報収集を進めるなか、入会を決めたレーザークリーニング協会の実質トップの方が、弊社と10年以上取引のある協力会社の社長だったのです。話はとんとん拍子に進みました。
導入の決め手は、この技術の使い道を私自身が明確にイメージできていたから。メーカーや協会では、建設業界での使用事例は紹介されていませんでしたが、弊社が国土交通省の許認可や各種資格を保有していること、そして私自身の異業種での経験から、「土木業界にも必ず活かせる」と直感しました。
レーザークリーナーは製造に半年、使用に慣れるまでにさらに半年かかります。本当に使いこなせるようになるまでにはおおよそ2年の歳月が必要です。そして非常に高価であるため、導入を決断する企業は稀です。だからこそ、そこに勝機があると感じるのは私が変わり者だからでしょうか。
私は昔から変わったものが好きで、ヘンなものばかり集めてきました。レーザークリーナーももしかしたら、周りから同じように見えるかもしれません。「あんな高いもの買ってどうするの」と。

動くから道が拓ける
レーザークリーナーのメリットのひとつは、手軽でコンパクトなこと。すぐに移動し即作業できる、機動力の高さです。2台目の機械はキャリーケースで運べるほど小型サイズなので、旅行感覚でどこにでも行けます。ポータブル電源さえあれば、どこへでも赴き、その場でプレゼンできるため、非常にフレキシブルです。実際に目の前で操作しながらご提案すると、皆さん身を乗り出すように話を聞いてくださいます。プレゼンに伺うと、幹部クラスの方々が熱心に耳を傾けてくださり、一通り説明を終えると具体的な使用シーンや費用対効果についてなど、次々に質問されます。
メーカーからの応援の気持ちを感じた出来事もありました。先日はあるプレゼンに、クリーナーのメーカー社長がベルギーから通訳を連れて同行してくれたのです。世界中を視察している人物が、名古屋という小さな都市に実際に足を運び、我々に関心を向けてくれるのは非常に嬉しいことです。
実績がないものを扱うことには不安もつきものです。しかしそれ以上に、皆様のお顔を前にしたとき、私は思うのです。「これだけの興味関心があるなら、必ず需要がある。早く始めればそれだけ確実に実績を積むことができる」と。
やろうと決めて動くから、道が拓ける。そんなものではないでしょうか。
レーザークリーニング工法を扱うことで、対外的な弊社の企業イメージの向上にも役立っています。ロゴマークのリニューアルとの相乗効果とも言えるでしょう。大げさに聞こえるかもしれませんが、私たちが協会を引っ張っていけるようなパイオニアになること。お客様からいただくお問い合わせに、より良い提案をできるようになること。私たちはそれを目指しています。
人は不安になるとじっとするもの。だからこそ。
先に思い切ってやったが、勝ちです。
自分の興味・関心を広げアンテナを立てていたことで、引き出しが増えました。若い頃に増やした引き出しを思いもよらぬところで活かせたと、感じている昨今です。